こんにちは、TAKAです。
現在、科学や技術の発展のおかげで眼鏡には様々な素材が使用されています。
しかし、なぜその素材が使用されているか知っている方は少ないのではないでしょうか
今回はそんな眼鏡の素材と長所についてスポットを当てたいと思います。
現在の主な眼鏡フレームを種類で分けると、メタルフレームとセルフレーム(プラスチック)、それらを掛け合わせたコンビフレームに大別されます。
メタルフレームは金属を使用しており、薄く細くできるので軽く、金属特有の弾性からかけ心地も優しくなります。金属の特性上、丈夫であることも長所として挙げられます。
セルフレームは価格が安価である点と、その加工の容易さからデザインに富んでおり、製造上様々なカラーの組み合わせができるので、美観面で特に可能性が広がっています。
では、そのセル&メタルフレームにはどういったプラスチック、金属が使用されているのか、まとめていきたいと思います。
『昔主流だった素材』
代表的なプラスチックー『セルロイド』
ニトロセルロースと樟脳を主原料とする合成樹脂です。元々は象牙の代用品として発明されたのが始まりです。
特有の肌触り良さや質感は、現在も人気で一部ブランドやモデルでは目玉として使用されることがあります。
しかし発火しやすいという性質があり、火災事故が多発したため世界的な排除運動が始まりその姿を消していくこととなりました。日本でも消防法の可燃性規制対象物に指定され製造、貯蔵、取扱方法が厳しく定められています。
アセテートに変わるまでにオプチルなども利用されていましたが、こちらの方がメジャーと行って良いでしょう。
代表的な金属素材ー『ニッケル合金』
洋白という合金(銅、亜鉛、ニッケルからなる合金になります)を中心に広く使用されていた金属で、現在でも海外ブランドで使用されていることが多いです。柔軟性が高く、曲げ加工の容易さが長所になります。また耐食性が高く汗や水分による錆が生じにくいです。短所として少し重い点と、ニッケルが含まれている為アレルギーが起きやすい点が挙げられます。
『現在メジャーな素材は?』
まず現在眼鏡で使用されている素材はセルフレームはアセテート、メタルはチタンが主流です。
ではなぜそれらが用いられるのか、まとめていきます。
現在代表的なプラスチックー『アセテート』
酢酸綿という植物性の繊維を主原料に製造する、プラスチックになります。
【長所】
・人体に優しい
綿花から繊維を取り出しているため、アレルギーが少なく環境に優しいという長所があります。
繊維を取り出す際に使う化学薬品によっては、人体に悪影響があるものもあるのでより品質の良いものを求めると良いでしょう。
・加工面に優れる
プラスチック素材の中で粘り気があり割れにくく壊れにくいです。また熱を加えることで自由に変形させることができ、自由度の高い加工性を持っています。その為眼鏡だけでなくアクセサリーでも活用されています。
・美しい色合いと透明度
高い透明度と色味の豊富さからプラスチックの宝石と呼ばれるほど美観面に優れています。
現在代表的な金属素材ーチタン・チタン合金
実用化され始め70年程度しか経っていない為、未発見な用途があるのではないかと言われている可能性に満ちた金属です。
純チタン、一部チタン合金は高コストで加工が難しい材質と言われており、海外では現在もニッケル合金やステンレスなどが使用されることが多いです。しかし日本は世界トップのチタン加工技術を持っており、現在日本製の眼鏡はチタンが主流になっています。
【長所】
・軽い・強い・錆びにくい
他の金属類に比べ比重が軽く、強度が高いです。また弾性があるので力が加わった後に元に戻る再現性も優秀。また熱にも強く腐食にも強い為、さまざまな環境下で長期間着用することにとても向いています。眼鏡以外では宇宙・航空機器など最先端の工業製品でも使用されています。
・生体適合性が高い
アレルギーが起こりにくい点も長所の一つです。金属アレルギーは通常、汗などの水分に反応してイオンが発生することで起こります。チタンはその化学反応がほとんど発生せず、また発生してしまってもチタンイオンは空気中ですぐに酸化してしまうため、人体へ影響が起こりにくくなっています。眼鏡以外にも人工骨や医療機器に活用されるなど、人体に最適な金属であるといえます。
ちなみにチタン合金は軽い・強い・錆びにくいという特性は極力保ったまま、+α特性を持たせた素材になります。ここではよく耳にするであろうβチタンやNT合金をご紹介します。
βチタン
βチタンは合金の中で最高強度を持っており丈夫です。またヤング率、いわゆる弾性に優れています。そのためゴムのように良くしなり、力を加えた後もしっかり元に戻ります。チタン合金の中では加工がしやすいのも特徴です。
NT合金
チタンとニッケルを1対1で混ぜ合わせた合金です。βチタンのような弾性に合わせて、形状記憶という性質を持ち合わせており、熱を加えると元の形に戻すことができる素材として有名です。
『こんなのもあるの!? 珍しい素材たち』
プラスチックやチタンが発明される以前の素材も、セルロイドのように価値を持ち使用されることがあります。
そんな希少な素材たちも合わせてご紹介したいと思います。
鼈甲(べっ甲)
よく眼鏡でべっ甲と呼ばれているカラーはこの鼈甲の柄を真似ている点からそう呼ばれています。高級素材として知られており、タイマイと呼ばれる海亀の甲羅から生産されています。昔は眼鏡のみならず、ボタンや櫛など日用品で広く利用されていましたが、現在はワシントン条約により商業取引が禁止されています。新たに捕獲ができない為、現在はそれ以前に確保されたストックや端材が使用されています。汗や整髪料に弱く、実用性はプラスチックなどの現在主流の素材には劣りますが、その質感や美しさはべっ甲でないと出せず、またその希少価値から現在でも眼鏡の素材として人気が高く、愛されています。
バッファローホーン
主に畜産の水牛から角を切り取り加工した素材です。天然素材の中でも特に肌に優しく比重が軽いため、心地よい着用感を得ることができます。また扱いが難しく眼鏡を製造する際、手作業での加工がほとんどで、熟練した職人でないと製造ができない点も魅力の一つです。以前はフィッティングがほぼできない素材でしたが、現在では特殊な製法によりそれらを解消した物も出てきているそうです。
ウッド
メーカーによって使用される木材は様々ですが、バッファローホーンと同様に天然由来で肌に優しく軽いという点で優れています。木材ならではの温かみのある雰囲気や、経年によって次第に色が濃くなり、独特の風合いが出るのも愛される理由の一つです。
実物の画像が準備できなかったですが、珍しい素材達のご紹介でした。
一部パーツで使用される素材
シルバー925
アクセサリーなどに良く使用される純度が92.5%と高い水準の銀素材になります。主にカシメなどの飾りに使用されることが多いです。通常のカシメ飾りはメッキ塗装が行われているので剥げてしまえばその痛みが美感にモロにでてしまいます。しかしシルバー925を使用した物は磨けばその輝きを取り戻すので長期間その美しさを楽しむことができます。
18k 22kメッキ
高純度な金をしようしたメッキ塗装です。変色しにくく耐久性が高いことが特徴です。また金の含有量が高い為、アレルギーが起こりにくいことも肌にふれる眼鏡には嬉しい長所です。何よりその輝き、高級感は見る人を虜にする魅力があります。こちらもカシメ飾りや一部メタルフレームに使用されています。
以上、代表的なものを中心に眼鏡の素材について触れてみました。
その他にもコアな物を含めると多種多様な素材がありますが、この辺を押さえておけば眼鏡選びには困りません。
それぞれの良さを知った上で、次回ご購入なさる際は参考材料の一つにされてみてください。