こんにちは、TAKAです。
最近は老眼だけでなく近方視が苦手な方などにも紹介され始め、かなり浸透してきた遠くも手元も見やすいレンズ・累進レンズ。眼鏡一本で掛け外しなく使えるその設計は、さまざまな方にご好評いただいています。
これは累進レンズと呼ばれるのですが、遠近両用という言葉に耳馴染みが多い為か、累進=遠近とお考えの方いらっしゃいます。
確かに遠近両用は汎用性が高く便利ですが、貴方の生活様式を考えると遠近では満足できない場合があります。
今回は『心当たりあるかも』という方に知って頂きたい、中近・近々レンズについてご紹介したいと思います。
『累進レンズの仕組み』
まず累進レンズについてですが大まかに説明しますと『レンズの上辺では遠くを、下辺に行くにつれて近くを見ることができるレンズ』になります。【図】
人間は日常生活の大部分で遠くを見る際は目線をあげ、手元を見る際は目線を下げます。
その目線に相応しい距離の度数がグラデーションの様に入ったものが累進レンズです。
『なぜ遠近だけではダメなのか』
そんな便利な遠近両用レンズですが、デメリットも存在します。
・例外的な目線の移動に対応できない
例えばデスクトップPC。ノートPCや画面が低い位置にある場合は目線も丁度良い位置にとどまるのですが、画面との距離が近く遠方の目線に近い高さになると見えずらく感じます。
これは目は脱力時にピントが遠くに合っていて、調整力を使って近方を見ていることが関係します。
先程の最初の図のようにレンズ上部は遠くを見るための度数が入っています。
そこに近い距離のものが来ると、焦点を合わせるために調整力が必要になり、調整力が弱い老眼の方などは見えにくくなってしまいます。
もし高い位置にある画面を無理に見ようとするとレンズ下部で見るために顎を上げ続けなくてはならず、無理な姿勢が続くため疲れます。
またその逆も然りで、高い位置から遠くを見下ろす際は遠くが見えづらくなります。(スタジアム観戦や映画館など)
これは近くの度数部分(レンズ下部)で遠くを見なくてはならず、度数が足りずぼやけてしまう為です。
遠近導入時に階段に浮遊感を感じるのはこれが原因でもあります。(多くの方は慣れます)
加入度(近方の度数)が弱い方は大丈夫なことがありますが、強くなるに連れてそのままでは使いづらくなっていきます。
・手元の見える範囲が狭めなことがある
眼鏡には収差という歪みが存在し、累進レンズはその設計上独特な歪みが発生します。
図の様にレンズの周辺部、特に下方が見えにくくなります。
収差は加入度が大きいほど強く生まれますので手元の正面は見えても、横の方がぼやけた感覚になってしまい、慣れにくさや見えずらさを感じる原因になってしまいます。
性能の良いレンズはそこが補正されていくのおすすめですが、高価になるというデメリットがあります。
『そこでご紹介したい中近・近々レンズ』
上記の問題は見え方・疲労感に直結します。度数を調整することで対応できる場合もありますが、より生活シーンに対応したレンズに変更することもできます。それがこれからご紹介する中近レンズや近々レンズになります。
・中近レンズ
先程の図をご覧いただくと、遠近は主に遠くの度数がメインで中間はおまけ、お手元は少し広めといった度数分布になっています。中近レンズはこのオマケの範囲をメインとしたレンズです。
遠近両用よりも遠方から手元への度数変化にワンクッションあるので、度数変化が少なく収差が抑えられており、遠近よりも手元の視野が広く確保できます。距離ですとと6・7m〜お手元が見える範囲になり、室内での着用をお考えの方にぴったりの累進レンズになります。
例えば外はコンタクトがメインの方。家に帰ってからもつけ続けるのは疲労や異常の原因です。そんな方は家に帰って中近に掛け替えることで快適な生活を送ることができるでしょう
・近々レンズ
これは先程の説明した度数範囲の分布を、近方の度数範囲を広げたレンズです。
1m〜お手元がよく見えるような設計で丁度広めの机程度をカバーしてくれます。中近レンズよりも更に度数変化が少ない為、収差の範囲が少なく手元の視野を広く保つことができます。
近用単焦点レンズでは見にくかった距離が視線の移動だけでスムーズに見ることができるので、顔を近づけたりする動作が減り疲労の軽減にもつながります。
読書などは距離が一定の本を眺めるので近用単焦点でも事足りますが、デスクワークなどは様々な場所に視線を移すので近々レンズがおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
使うシチュエーションを事前に想定していただくと、適したレンズが見つけることができるかもしれません。
よりシーンにあった眼鏡で、快適な生活を送りましょう。