こんにちは、TAKAです。
今回はレンズのコーティングについてまとめていこうと思います。
視力を決める以外の部分で特に重要なのがコーティング。オプションとして提案されるコーティングですが、技術の進歩から様々な性能を持つものが開発されています。知っていればもしかしたら貴方が抱えている眼鏡の悩みも解決できるかも?ということで便利なコーティングをご紹介します。
【レンズの基本的な設計について】
眼鏡のレンズは大まかに基材とコーティング膜の2つから構成されています。
画像のように光の屈折率に大きく影響する基材に、コーティング剤を塗りつけたような構造です。
サランラップよりもさらに薄い膜になっており、膜が一枚のものはモノコート、多層の重ねたものはマルチコートと呼ばれます。
【標準・主流なコーティング】
反射防止コーティング
先述したマルチコートは光の透過率を上げる性質があります。この現象を利用してレンズの反射を抑えたものが反射防止コートです。基本的にはレンズに標準で入っていることの多いコーティングになります。
メリットは光の写り込みが抑えられ、チラつきを防ぐことで視界がクリアになります。また美観面でも、プラスチック特有のオモチャっぽさが無くなり高級感が増します。他人に見られる際の印象も良いです。特に写真で撮られた時などに白い反射が抑えられ目が綺麗に透ける為、素顔の魅力そのままに写真に残すことができます。
当店では度なしであってもデモレンズのままでは販売せず、必ず入れ替えていただく様にしています。
UVコーティング
皆様お馴染み紫外線をカットするレンズになります。紫外線といえば日光を想像するため、サングラスに備わっている機能と思われがちですが、サングラスは可視光線(目が認知する光)から目を保護するものであり、UVカットは別物(ほぼ全てのサングラスに入っていますが)。無色レンズにも搭載されており、紫外線から目を保護してくれます。
防汚コーティング(撥水)
高い撥水性能、撥油性能をもつコーティングになります。汚れの原因となる指紋や油汚れの付着や、ふき取ろうとして跡が残ってしまうのは、汚れ物質の分子が表面張力でレンズに吸着しているからです。防汚コーティングは、コーティング膜で表面張力を下げることにより、液状の汚れの吸着力が弱まり、簡単に拭いとることができるようになるという仕組みです。また水滴が付着した状態で放置すると水焼けというシミができてしまいます。これは一度ついてしまうと取り除くことは難しく、そう言った取り返しがつかない現象を未然に防ぐ為にもあって損はないコーティングです。
【さらに高機能なコート】
ブルーライトカット・コントロールコート
昨今よく耳にするブルーライト。これは可視光短波長光というものです。世間で有害とされる紫外線なども短波長に属す光です。短波長は多くのエネルギーを持ち、物体に強く干渉する性質を持っています。その為、空気中でチリなどで反射(散乱)しやすく視界のチラツキ(羞明)の原因に。また青色の光自体が網膜に結像しない位置にある為、輪郭がぼやける性質をもっています。はっきり見えないと人間はよりキチンと見ようとしてしまう為、疲れの原因に。ブルーライトカットレンズはその短波長の光を制御することで、疲労感をやわらげ、疲労感を抑制してくれます。UVカットと合わせておすすめしたいコーティングです。
防曇(ぼうどん)コート
字の名の通り、曇りにくさに特化したコーティングです。前述した防汚(撥水)コートには、親水性(水分となじむ性質)が低く、曇りやすいというデメリットがあります。界面活性剤(曇り止め)を塗布するなど対策はありますが日々の作業は手間がかかります。これらの悩みを解決するのが防曇コート。主流な物は専用の眼鏡拭きで拭くだけでこの効果が続きます。一部メーカーではその必要すら無くなったものも。特に現在コロナ禍で需要が高まる注目のコーティングです。
参照:HOYA公式HP https://www.vc.hoya.co.jp/
帯電防止コート
防汚コートにプラスαつけて頂きたい機能です。前述した防汚コートは液状の汚れに強いコーティングですが、こちらは埃などの乾燥した汚れに対して強いです。眼鏡レンズは他の物質同様静電気を帯びるため、埃などの帯電した物質を吸着してしまいます。そのままの状態では見た目にも汚いですし、カラ拭きによってレンズに傷を入れてしまう可能性も。帯電防止コートはレンズの帯電を抑制し、乾燥性の汚れの付着を抑制することで美観を保ち、レンズの損傷も抑えてくれます。
偏光コーティング
コーティングによって偏光を行う画期的な物です。通常偏光レンズは基材にフィルターを組み合わせ製作されます。この作成方法は厚くなる・剥離しやすい・ナイロール枠を選べないなどデメリットがありました。この偏光コーティングはコーティングで偏光を行う為、厚くなりずらい・剥離しにくい・ナイロールでも作成できるという従来の偏光レンズの悩みを一挙に解決するコーティングです。現在HOYA独自の特許技術になります。
参照:HOYA公式HP https://www.vc.hoya.co.jp/
抗菌コート
レンズを見た目だけでなく衛生的に綺麗に保ちたい方へおすすめのコーティングです。レンズでの細菌の繁殖を防ぎます。特にお子様などがいらっしゃる方は接触による菌がうつるのを防ぐことができるので、安心ではないでしょうか。
参照:HOYA公式HP https://www.vc.hoya.co.jp/
いかがでしたでしょうか。
眼鏡は技術の進歩から視力矯正器具としての垣根を超え、様々な形で着用者に寄り添ってくれます。
今後も様々なコーティングが開発されることでしょう。
ぜひ、皆様も定期的にチェックしてみてください。