こんにちは、スタッフのTAKAです。
このたびGLEAM OPTICALでguépard(ギュパール)というブランドの取り扱いがスタートします。
ギュパールはフレンチヴィンテージを多くの人に楽しんでもらうために立ち上げられた日本のアイウェアブランドです。
実は、私が初めて目にしたヴィンテージはフレンチのものでした。
Jacques Marie Mage(ジャックマリーマージュ)の人気モデルDEVAUX(デヴォー)のソースとなった40‘Sのフレンチヴィンテージを見せて頂きました。
それがこちらです。
その時に1番印象的だったのはフレームの素材感。
ツヤやヌメ感が独特で触っててとても心地よかったです。
形は良い意味で野暮ったさがあって、今っぽくないなと感じたことを覚えてます。
その他にはサイズ、作り、匂いなどなど。
眼鏡の歴史を知らずとも、なんとなく惹かれるものがあるのがわかりました。
そして惹かれると知りたくなるのが人の性。笑
そこで、まずはフランスの眼鏡ってどういうものなの?ということで調べてみました
『生産』
フランスにはジュラ地方という世界的に有名な眼鏡の産地があります。
ジュラは手工業が盛んで、食ではワインやチーズ、工業品は眼鏡意外だと時計(スイス側に位置していますが…)が有名です。
眼鏡においてはジュラ地方内でも得意分野が分かれておりオヨナックスという町ではセルフレームが、モレという町ではメタルフレームの生産が盛んです。
現在でも40〜60年代のフレームを当時から使用されてる機械を使って生産しており、ブランドでいうとLesca(レスカ)はこういった工房を現在も使い続けて、生産を行っています。
『歴史』
フランスのみで調べると資料が少なかったのでヨーロッパ全体でお話をします。
中世のヨーロッパはキリスト教の考えが根幹にあり、「神様に与えられた特性を勝手に変えることはその意思に背いている」という理由でメガネは良くない物とされていました。
活版印刷の普及によりその考えは廃れたものの、眼鏡が教養の高さを表すものとして捉えられ始め、それをひけらかしてはならないと目上の人の前では掛けられないなど文化的な理由で長く発展が遅れてきました。
そういった紆余曲折を経たのち、上流階級でようやく眼鏡が一般的になり始めました。
19世紀末頃までは今の形の眼鏡ではなく、片眼鏡や鼻眼鏡が主流でした。
現在の形は18世紀の初頭に開発されていたですが、片眼鏡や鼻眼鏡のファッション的な流行やステータスの観点からすぐには普及しませんでした。
産業革命により大量生産の目処が立ったことやプラスチックの発明で誰もが眼鏡を手にできるようになったこと、光学的な観点でつる式の眼鏡が優れていることから今の形が普及していったと思われます。
『形について』
ファッションの要素をもつ前の眼鏡については省きますが、クラウンパントやパリジャンが代表的なモデルだと思います。
↑クラウンパント
↑パリジャン
日本人には個性的に映りますが、フランス人からしてみれば伝統的な形です。
それらを見ると、現在普及している形(ウェリントンやボストンなど)に一癖入れたような形が多いです。
リム(レンズの所)の上部を水平にカットしたり山をつけたり。
またリムの外周と内周で形に違いがあるものも多いです。
ヴィンテージ物とかだとそれが顕著に出ているので、よりわかりやすいのではないでしょうか。
それから直線と曲線・丸みとエッジが上手く調和してるというか、他の国にはない独特な緩急の付け方があります。
優しい印象がするのも特徴的です。
『フランスファッションの特徴』
フランスは世界の流行の発信地でもあり前衛的なデザインを評価する価値観をもっています。
またフランス人は批判やオリジナリティを好む国民性もあってか、カラーやデザインや素材などに独自のこだわりを持っていて、流行を超越した自分オリジナルのスタイルを、何より大事にしている人が多いです。
イギリス発祥のスーツは、イタリアに渡りセクシーでスタイリッシュなシルエットや素材になり、フランスに渡ることでどこかフェミニンでエレガントなスタイルに進化していきます。メンズでフレアパンツなどはフレンチらしいスタイルだと思います。
カラーだとフランスはブラックが少なく、ニュアンスカラー(中間色)が多いのも特徴と言えるでしょう。
そんなフランスを背景にもったアイウェアブランドの中から当店で取扱っているブランドを3つご紹介します。
1.Lesca / レスカ
前述しましたがLescaは20世紀初頭からジュラ地方に工房を構え、ブランドの立上げも1964年ととても歴史があります。
Lescaには2つコレクションラインあり、レスカコレクションとヴィンテージコレクションが存在します。
レスカコレクションは1950~60年代当時の工法やディ テール、型など過去のノウハウや工具を使用し新規で商品を製造しています。
現代のニーズを反映させてブラッシュアップされたフレンチヴィンテージを楽しむことができるラインです。
ヴィンテージコレクションはデッドストックの販売をしているラインです。
デッドストックをただ出荷するのではなく、生産過程でデッドストックになっていたパーツを当時のヨーロッパ独自の道具や機械、伝統技術を用いて職人の手で各パ ーツを組み立てて出荷しているので高い品質が保証されています。
デッドストックということもあり1点ものも多くあることから希少性や所有感も得られるラインとなっています。
本場で作られた元祖フレンチを楽しむならおすすめのブランドです。
Lesca
La Corb’s
¥44,770-
Lesca
Pica
¥40,700-
Lesca
Burt
¥40,700-
2. guépard /ギュパール
こちらはMADE IN JAPANでフレンチヴィンテージを忠実に再現したブランドです。
こちらもサンプリングしたヴィンテージフレームの風合いをなるべく残したまま、サイズ感などを現代のニーズに合わせて作られた商品です。
そのこだわりは強く眼鏡は通常、デザインを図面化して試作品を工場などで作成する工程を1〜2回行います
一方ギュパールはこの工程を平均6〜7回重ねており、より再現度を高め、かつブラッシュアップされた状態で製品化されています
またギュパールのフレームには全てテレビジョンカット(※)が施されています。
パッと見ではわからないくらいのカットが入っているのもフレンチヴィンテージの特徴です。
(※)リムの外から内に斜めにカッティングを入れる手法。ブラウン管テレビの様に見えることからこの名前がついた
元々、依頼していた職人にはできないと断われたそうなのですが、ブランド側で特注のツールを作成するなどその熱意から実現したそうです。
また、当時特有の事柄にもこだわっています。
レンズはデザイン元のフレームが製作された時代のガラスレンズを表現するためレンズの表にはあえて加工を施していません。
裏面のみ反射防止をつけた特注のフラットレンズを使用し当時のガラスレンズを表現しています。
付属品であるギャランティーの油紙も当時運搬に使われていた油紙をオマージュして入れています。
その他にも極細の1.4mmのカシメピンやガラ入れの工程など各所にこだわりとフレンチヴィンテージへの敬意が感じ取れます。
価格もヴィンテージの入門としてはお手頃で、ヴィンテージの世界に興味のある方にお勧めしたいブランドです。
guépard
gp-01
¥29,700-
guépard
gp-02
¥29,700-
guépard
gp-07
¥29,700-
AHLEM / アーレム
こちらはL.Aブランドになりますが、女性でデザイナーのアーレム・マナイ・プラットはフランス出身で生産もジュラのオヨナックスにて行われています。
AHLEMのブランド背景については、またいづれ記事にしたいと思います。
20世紀初頭のバウハウスムーブメント
(ドイツにあったデザイン学校の思想で後のデザイン全般に大きな影響を与えた)
に影響をうけたデザインですが、こちらは先の2ブランドとは違い、斬新な形をしたフレームも多く見受けられます。
いわゆるフランスの革新的な部分を表現しているブランドだと思います。
こちらのブランドもフランスの職人によるハンドメイドで作られていて3つの工房で9名しかその生産を任されていません。
フレームは彫金やカッティングが特徴で、セルフレームだとカッティングにより光沢面とマット面を混合させてより立体感を感じることができます。
芯金には彫金が施されており、さりげないアクセントになっています。
また使われている色も少しくすんだ様な曖昧な色が多く、他のブランドにはない大人な雰囲気があります。
一方、メタルフレームはメガネでは非常に珍しい高級素材パラジウム製で22Kのメッキを施しており、彫金や槌目(※)をつけることによりキラキラと表面が輝きます。
※槌目とはハンマーで表面を打ち付けることでハンマーの跡を施す技法
一部モデルにはアセテートのチップとロゴがテンプルエンドについています。
ブランドのコンセプトでもある「光を操る」という面をなにより表現しているのはこのメタルフレームのコレクションだと思います。
AHLEM
AUBER
¥57,200-
AHLEM
PONT DES ARTS
¥48,400-
以上がGLEAMで扱っているフランスに関連した背景をもったブランドです。
現在日本でじわじわと火が付いてきているフレンチというカテゴリー。
歴史について書いて間違ったりするのが怖かったんですが、調べていたらむしろ楽しくなってきたり気になったのに知れない苦しみもでてきました。笑
ソースが曖昧だったり、情報が少なかったりしたので、知っていることがあればぜひコメントください。
最後にこのブログをご覧いただいてフレンチのメガネのことが気になった方は、ぜひ一度遊びにいらして下さい。お待ち致しております。