こんにちは、TAKAです。
皆さま知っているようで知らない偏光レンズ。
ゴルフや釣りをなさる方は親しみがあるかと思いますが実はテレビの液晶など身近な物に同じ仕組みが使われています。
本題に戻りまして、偏光レンズは一体どういう役割を果たしてくれるのか、機能や仕組みのあれこれについてまとめてみます。
【偏光レンズってなに?】
耳慣れない単語でもある【偏光】
初めて目にするお客様は言葉が似ている為、「調光」と「偏光」がごちゃごちゃになってしまっている方がいらしゃいます。
色が変わるレンズ→調光レンズ。色は変わらないレンズ→偏光レンズと覚えていただくと簡単です。
では『偏光』とは何なのか、簡単に説明します。
まず光には『自然光』と『偏光』という2種類があります。
自然光は太陽や月の光のことで光源から発生した光を主に指します。
その自然光が物体に反射する(反射光)と偏光へ変化します。
私たちは対象を見る多くの場合は物体に反射した光を捉えて認識するので目はほぼ偏光から視界を得ていると考えても良いでしょう。
自然光と偏光の違いは、光の持つ波の特性というものが関係します。
光は決まった方向に軸を持って振動していると考えられており、自然光はその波が360度全方向に存在します。
対して偏光は自然光の反射時に殆どの方向性を失い、特定の一方向へ軸をもつ波へ変化した光になります。
この特性を利用して反射光=偏光をカットしようというのが偏光レンズです。
通常のカラーレンズは基材(レンズの元になる部分)に染色を行うことで、その色に近い色は通し補色に近い色味を吸収もしくはカットしています。
こうして光の量を減らすことで眩しさを軽減しています。
しかしこれだと、見るために必要な光もカットしてしまい、物の輪郭が捉えにくく不明瞭な暗い視界になってしまいます。
さらに反射光も裸眼時より量は減っていますが映り込みや、反射のギラつきは視界に反映されてしまい無くすことはできません。
一般的な偏光レンズは通常のレンズに偏光フィルターという、ある1つの軸しか通さない特殊な膜を搭載しています。
先述した通り反射光は偏光であり、1方向に軸を持っている為、同じ軸を持った光しか通ることができません。
下の図を見ていただくとイメージしやすいかもしれません。
こうして反射光を弾き、水面の反射やガラスの映り込みを消しています。
※イメージ
参照:Photonてらす URL:https://photonterrace.net/ja/photon/category-2/
自然光の同軸以外の光や反射光も事前にカットしているので、光の量を減らし眩しさの軽減もバッチリです。
また、反射光はストレスホルモンを上昇させ眼精疲労を引き起こす原因にもなります。
それらが目に入ってこないので、疲れを予防してくれる効果も持っています。
『メリット・デメリット』
では偏光レンズは通常のサングラスと比べ、眩しさの軽減以外にどういうメリットをもたらしてくれるのでしょう。
・眼精疲労を予防できる
前述しましたが偏光から成る反射光は、ストレスホルモンを上昇させ、眼精疲労を引き起こします。
それらをカットすることで疲労予防の効果ももたらすと言われています。
・映り込みやギラつきを消してくれる
こちらも既に書きましたが、車のフロントガラスへの映り込み・水面の映り込み・白い反射を軽減or消してくれます。
釣り・ランニング・ゴルフはもちろん、路面で行うようなスポーツでも効果を発揮してくれます。
・色の濃さに対して視認性が高い。
カラーレンズは色を濃くすれば明るさも失い視認性が落ちます。
対して偏光レンズは色が濃くても、コントラストがはっきりしている為、クリアな視界が確保されます。
合せてデメリットも存在します。
1.高価である
高機能かつ通常のレンズと構造が異なる為、他のレンズに比べると少し高価です。
2.熱・水に弱い。
熱は通常のレンズもそうですが、偏光レンズは長時間水に晒してはいけません。
これは偏光フィルターが水を吸ってしまい、レンズ内部で膨張してしまい剥離するためです。
釣りに良いと言われるレンズだけあって特にアングラーは注意したい項目です。
3.縁なし・ナイロール枠はおすすめできない。
ナイロールで吊って止めるタイプのフレームはレンズ側面に溝をほる必要があります。
同じく縁なしもレンズに穴を開ける必要があります。
偏光レンズはフィルターを挟んでいる為、側面や穴からの浸水の原因になります。
4.液晶が見づらい
昔だとそんなに気にならないことでしたが、昨今はスマホの普及でこちらもデメリットに。
液晶は偏光を利用して画面を表示しているため、偏光フィルターを通すと角度によって
画面が暗くなったり虹色にチラついたりします。
5.濃い色のレンズが多い。(一部除く)
フィルターを搭載している為、薄い色にすることが難しいです。
4と相まって偏光レンズは室内での利用が少し難しいです。
(室内用の偏光レンズも存在しますが、偏光のカット率は低めです)
6.重い、厚い
フィルターを含む構造、及び一般的に使用される偏光レンズの基材の関係で、厚く重くなりやすいです。
強度数の方は特に不便に感じるかもしれません。
そんなデメリットもある偏光レンズですが、光学機能的に優れているのは間違いありません。
また近年そういったデメリットを解消するレンズも出てきています。
そこで当店で取扱いのある偏光レンズについてハイスペックな物を2つご紹介させて頂きます。
【HOYA polatech】
こちらHOYA独自の技術が使用された偏光レンズです。
前述しましたが、従来の偏光レンズはレンズの間に偏光フィルターを挟み込む手法がとられていました。
しかしpolatechはその構造から見直し、レンズのコーティングに偏光機能を搭載する新技術を採用しています。
これにより従来の偏光レンズの様に剥離がおきません。その為、ナイロールや縁無しも選ぶことができ
フレームを自由に選べるというメリットが生まれました。
表面に深く傷が付くとフィルター機能が低下するのですが、傷防止が標準で搭載されているので
通常の使い方をしていただければ心配していただく必要はありません。
何よりレンズメーカーとして名高いHOYAの基材を、そのまま使用することができる魅力があります。
従来の挟み込む生産法だと、偏光フィルターと屈折率の近い素材をレンズに使用しなければなりませんでした。
しかしその素材は眼鏡レンズとしては旧素材で、眼鏡レンズと比べるといくらか見劣りしていました。
polatechではその心配がなく、素材やレンズ設計は幅広くに選べ
HOYA独自の透明度と解像力、いわゆる見え方をそのまま実現することができます。
また超薄型は従来の偏光レンズでは実現が難しかったのですが
こちらも生産に成功しており度付き、特に強度数での偏光をお考えの方にはおすすめのレンズになります。
【Kodak PolaMax】
こちらは従来の偏光レンズに機能を+したレンズです。
何を足したのかというと、ネオコントラストと呼ばれる防眩(眩しさを防ぐ)機能が追加されています。
人の目は黄色を強く感じやすい特徴があります。
これは加齢と共に目のレンズが黄色く変色する為、青の光がカットされより黄色を感じやすくなる為です。ネオコントラストでは、光の成分の内、黄色を大幅にカットする事で余分な黄色を抑えてくれます
(これは通常のカラーレンズではできません)
そうすることで見ている物本来の色味をそのままに、眩しさをカットすることに成功しています。
※イメージ
(ネオコントラストは単体でも販売しています。)
さらにCOMPLETE UVも搭載しており、紫外線やブルーライトなどにも強くなっています。
カラー数は少なめですが、他社には無いネオコントラスト付きは
サングラス本来の『眩しさを抑える』という点に関してとてもおすすめできるレンズです。
以上偏光レンズについてのあれこれ、および当店おすすめの偏光レンズのご紹介でした。
普段サングラスをかける方、この機会に高機能なレンズを試してはいかがでしょうか。